【Dorico】Tipsその78:最後の組段を右端まで伸ばす(組段の両端揃え)
Doricoで楽譜を作っていると、一番最後の組段が中途半端な位置で終わってしまうことがありますよね。

(下総皖一作曲《たなばたさま》)
出版楽譜では右端まで伸ばす、すなわち両端揃えにするのが通例です。
今回は、どうしてこうなるのか、また両端揃えにするにはどうしたらよいかを解説します。
フローの最後の組段に両端揃えを適用
メニューバーの「ライブラリー」の中から、または[Shift]+[Ctrl(Win)/⌘(Mac)]+[L]キーで「レイアウトオプション」ダイアログを開きます。

「音符のスペーシング」カテゴリーの「フローの最後の組段に両端揃えを適用」にチェックが入っていることを確認します。
出荷時設定では「50%以上の場合」[1]となっているので、最後の組段の幅が50%以下の場合は両端揃えが有効になりません。

ということはつまり、「0%以上の場合」に設定しておけば、いかなる場合も両端揃えにしてくれるということですね!

じつは、「フローの最後の組段に両端揃えを適用」のチェックを外すことでもつねに両端揃えが適用されます。これについての理由は、本記事の最後にお話しします。
実務的には
両端揃えになったはいいものの、最後の行だけ極端に音符の密度が低くなってしまうと全体のバランスが悪いですよね。
こういった場合は、組段区切り(=改行位置)を見直す必要があります。
ここでバランスを整えるために、手動で組段区切りを追加するのはちょっと待ってください!
先ほどの「レイアウトオプション」ダイアログ→「音符のスペーシング」カテゴリーに「4分音符のデフォルトスペーシング」という項目があります。今回は出荷時設定の「4スペース」を「5 1/2(=5.5)スペース」に変えるだけで、曲全体の密度がほどよく広がってきれいに収まりました。

詳しくは「Tipsその66:レイアウト」の基本で解説していますので、あわせてご覧ください。
おわりに:ローカライズの話
今回扱った「フローの最後の組段に両端揃えを適用」のオプション。先述のとおり、チェックを外すことでもつねに両端揃えになります。
「両端揃えを適用」のチェックを外すと、両端揃えが適用されるのです。
——いったいどういうことでしょうか?
元となった英語版では次のようになっています。

Only justify final system in flow when more than ____% full.
直訳すると「フローの最後の組段が____%を超えるときのみ両端揃えを適用」となります。
日本語版が間違っているじゃないか! とお思いになるかもしれませんね。
しかし日本語版も英語版も、「____%」と入力するテキストボックス(スピンボックス)の位置が固定されていることに気づきます。そのため、日本語の自然な語順で翻訳するのがスペースの都合上難しかったのだと推測できます。
海外製のアプリケーションソフトウェアを日本で提供するとなった場合、ただ翻訳すればよいという話ではなく、一筋縄ではいかない壁がたくさんあります。
これこそまさにローカライズの難しさであり、そして奥深さなのです。
次回以降もストーンミュージックならではのコラムをお楽しみに!
注
- 厳密には、50%を超える場合に適用されます。


