【Dorico】Tipsその82:譜表をまたぐ音符、連桁、和音

ピアノやハープのような大譜表では、1つの声部が2つの譜表にまたがって表記されることがあります。

和音が2つの譜表にまたがる例(サティ作曲:《ジムノペディ 第1番》)

連桁でつながった音符の途中で、声部が別の譜表に移る例(ショパン作曲:《バラード 第1番》ト短調 作品23)

今回はDoricoでの操作方法を解説します。

上/下の譜表まで伸ばす

最初にサティの例です。まずは次のように入力します。

上の譜表に移動させたい音符や休符を選択し、右クリックメニュー(またはメニューバーの「編集」→「記譜」)→「譜表まで伸ばす」→「下の譜表まで伸ばす」を選択します。

すると文字どおり、上の譜表まで伸びました!

音符だけでなく休符も移動できるのがポイントですね。

上/下の譜表まで伸ばす」のショートカットキーはそれぞれ[N]キー、[M]キーです。(何かの頭文字というわけではなさそうです。)

符尾の向きの修正が必要な場合は、右クリックメニュー→「符尾」、または[F]キー(flipの頭文字)を活用しましょう。

声部にまつわるエトセトラ

続いてショパンの例です。

次のように声部を分けて入力し、必要な音符だけを上の譜表まで伸ばしてから、余分な全休符を削除しようと考えた方もいらっしゃると思います。

もちろんそれでもOKですが、音楽的には右手で1つの声部、右手で1つの声部ということで、今回は次のように入力します。

あとは必要に応じて上/下の譜表まで伸ばせば、余計な全休符は表示されないということですね!

ここで、ポイントを3つご紹介します。

連行の配置(向き)

譜表をまたぐ連桁はデフォルトでは譜表の間に配置されますが、右クリックメニュー→「符尾」→「符尾を強制的に下向き」または[F]キーで下向きにすることができます。

声部の符尾のデフォルトの向き

1小節目の左手の符尾が上を向いているせいで、右手とぶつかってしまっていますね。

これは、左手が「符尾のデフォルトの向きが上の声部」だからです。

左手の音符をどれでもよいので1つ選択し、右クリックメニュー→「声部」→「符尾をデフォルトで下向きにする」をクリックすると、[F]キーで反転させなくとも常に符尾が下向きになります。
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この「符尾デフォルトの向き」は1つの譜表に声部が2つ以上あるときの向きなので、単声部のときは影響を受けません。

選択した音符が、符尾のデフォルトの向きが上下どちらの声部に属しているかはステータスバーに表示されるので、意識してみましょう。

ステータスバー

休符の垂直位置

「上/下の譜表まで伸ばす」を使用した際は、「記譜オプション」→「休符」→「休符の配置」→「対立する声部で同じ位置にある同じ長さの休符」の設定にかかわらず、休符は統合されます。

「対立する声部で同じ位置にある同じ長さの休符」を「すべての休符をそれぞれの声部で表示」に設定していても、

休符が1つにまとまってしまう。

プロパティパネル→「音符と休符」→「休符の位置」を変更することで、2つ表示することが可能です。

おわりに

今回の記事で、譜表をまたぐ記譜はバッチリですね!

では、次のような楽譜はどうでしょうか?

入力方法を少し考え込んでしまいそうな例(ドビュッシー作曲:《ベルガマスク組曲》より〈月の光〉)

Dorico力アップを目指す方は、チャレンジしてみてください!

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