【Dorico】Tipsその87:強弱記号、ヘアピン(松葉)を入力する
「クレッシェンドやデクレッシェンドといったヘアピン(松葉)が思った位置に入力できない!」
「ヘアピンの長さを変えるには浄書モードにしないといけないの?」
——というのはDoricoあるあるではないでしょうか。
今回のコラム(入力編)と次回(移動編)を読めば、Doricoで思うがままに強弱記号を入力できるようになりますよ♪
なお、今回は浄書モードを“封印”します。
ということで、今回はあえて浄書モードが使えない無料版のDorico SEを使って解説します。
すなわち、すべて記譜モードでの操作です。
(もちろんDorico ProやDorico Elementsでも操作方法は同じです。)

浄書モードがないDorico SE
用語の確認
Doricoでは、ピアノpやフォルテfといった局部的強弱記号に加え、クレッシェンドやディミヌエンド(デクレッシェンド)も段階的強弱記号として強弱記号に分類されます。

強弱記号パネル
パネルで入力する
音符を1つ選択して、

パネルから記号をクリックします。
このとき、段階的強弱記号はその音符のデュレーション(=音価)ぶんの長さになります:

4拍の長さのヘアピン
拍の位置を示す点線を見ると5拍ぶんに見えるかもしれませんね。
しかし、タイでつながった音符を選択して入力した場合と比べるとおわかりになるでしょうか:

5拍の長さのヘアピン
複数の音符を選択して、

段階的強弱記号を入力すると、そのデュレーションいっぱいの長さになります:

2拍の長さのヘアピン
なお、複数音符を選択して局部的強弱記号を入力しても、入力されるのは1つだけです。

こうなる

こうはならない
ポップオーバーで入力する
パネルの代わりにポップオーバーで入力することも可能です。
強弱記号ポップオーバーは[Shift]+[D]キーで呼び出すことができます。DynamicsのDですね!

強弱記号ポップオーバー
フォルティッシモなら「ff」、メゾピアノなら「mp」、クレッシェンドは「<」、文字のクレッシェンドは「cresc」……というように、基本的には見たままを入力して[Enter(Win)/Return(Mac)]キーを押します。
このとき、「f>p」のようにセットで入力することもできます!

ポップオーバーに入力する内容(=ポップオーバーエントリー)をいくつかご紹介します。
- pppppp〜p、ffffff〜f、mp、mf、fp、fz、rf など:そのまま入力
- poco、molto、più、subito、possibile、meno、mosso、moltoなど:「poco p」あるいは「p poco」のようにスペースをあけて入力
- più:「piu」「più」
- subito:「sub」「sub.」「subito」
- possibile:「poss」「poss.」「possibile」
- 「p legato」など任意の語句も入力可能(先頭テキスト、末尾テキストとして反映されます)
- クレッシェンド:「<」
- ディミヌエンド:「>」
- ニエンテ(n):「<n」のように「n」をつける
- ニエンテ(丸):「>o」のように「o」(オー)をつける
- cresc.:「cresc」「cresc.」「cres」「crescendo」
- dim.:「dim」「dim.」「dimin」「diminuendo」
- 延長線:「cresc...」「dim...」のように「...」をつける
- メッサ・ディ・ヴォーチェ(小→大→小):「<>」
- メッサ・ディ・ヴォーチェ(大→小→大):「><」
- グループ化されたヘアピン:「< >」「> <」のようにスペースを入れる
「これって、入力できるのかな?」と思ったらいろいろ試してみてください!
なお、似て非なる「メッサ・ディ・ヴォーチェ」と「グループ化されたヘアピン」の違いは次回(移動編)わかるはずです。
キーボードショートカット
一部の段階的強弱記号はキーボードショートカットでも入力できます。
- クレッシェンド:
[Shift]+[,]キー([<]キー) - ディミヌエンド:
[Shift]+[.]キー([>]キー) - メッサ・ディ・ヴォーチェ(小→大→小):
[Shift]+[Alt/Option]+[,]キー([Alt/Option]+[<]キー) - メッサ・ディ・ヴォーチェ(大→小→大):
[Shift]+[Alt/Option]+[.]キー([Alt/Option]+[<]キー)
キャレットの位置に入力する
音符を選択して[Enter/Return]キーまたは[Ctrl/⌘]+[N]キーを押すと音符入力状態になり、キャレットが表示されます。
[←][→]キーでキャレットを動かして強弱記号を入力すると、その拍の位置に入力されます:

2拍目にフォルテ
※キャレットとリズムグリッドについては「Doricoの基礎その4(音符入力とリズムグリッド、キャレット)」をご覧ください。
段階的強弱記号をパネルで入力すると、4分音符1つぶんの長さになります:

1拍の長さのヘアピン
ポップオーバーやキーボードショートカットで段階的強弱記号を入力しても何も起きないように見えますが、[Space]キーを押すとキャレットが進み、段階的強弱記号が伸びていきます。
[Shift]+[/]キー([?]キー)を押すかポップオーバーに「?」と入力すると止まります。
おわりに
これまでなんとなく強弱記号を入力していたという方も、その仕組みがおわかりいただけるとうれしく思います。
今回は強弱記号の入力方法でしたが、次回は移動・伸縮方法をご紹介しますので、お楽しみに!


