【Dorico】Tipsその18(テキストトークン)
前回の記事でテキストトークンについて触れました。Doricoの基本的な機能なのですが、これまでご紹介したことがありませんでしたね。
ということで、今回はこのテキストトークンについて解説します。一見すると難しそうですが、この記事を読めばバッチリですよ!
プロジェクト情報
Doricoではタイトル、作曲者、作詞者などの情報を「プロジェクト情報」として管理します。

メニューバーの「ファイル」→「プロジェクト情報…」で開きます。ショートカットは[Control(Windows)/Command(macOS)]+[I]キーです。Infoの頭文字で覚えましょう♪

プロジェクト全体の情報だけではなく、フローごとの情報も持たせられます。
テキストトークン
先ほどプロジェクト情報に編曲者を入力したのに、譜面上には表示されていません。
これは編曲者のテキストトークンが入力されていないからです。
記譜モード(あるいは浄書モード)で作曲者のテキストフレーム(M. ムソルグスキー)をダブルクリックすると、編集可能な状態になります。

Dorico 6以降ではこのようなダイアログが表示されます。ここでは「フレームの内容を編集」を選択してください(後述)。
「M. ムソルグスキー」と表示されていた箇所が「{@projectComposer@}」に置き換わりました。
この{@〜@}で囲まれたものがテキストトークンです。
次のように入力し、
[Esc]キーで編集を終了すると……
「{@projectArranger@}」が編曲者名に置き換わりました! ※大文字と小文字の区別はありません。
テキストトークンは右クリックから入力することもできるので、覚えなくて大丈夫ですよ♪

プロジェクト情報だけでなく日付が音楽記号など、さまざまな情報を入力できますよ!
Dorico 6の新機能
先日(2025年5月2日)リリースされたDorico 6では、テキストトークンの参照先が空欄の場合は薄い灰色でプレースホルダー(ダミーテキストのようなもの)が表示されるようになりました。

プロジェクト情報の「作詞者」が空欄なので、プレースホルダーが表示されています。
なおメニューバーの「ビュー」→「トークンのプレースホルダー」のチェックを外すことで、Dorico 5までと同様非表示にもできます。
さらに、テキストフレームをダブルクリックすると確認のダイアログが表示されるようになりました。

「プロジェクト情報を開く」を選択すると「プロジェクト情報」ダイアログが開きます。より親切になりましたね♪
「再度表示しない」にチェックを入れて「プロジェクト情報を開く」を選択すると、次回以降テキストをダブルクリックしても「プロジェクト情報」ダイアログが開き、テキストフレームを編集できなくなってしまいます。「環境設定」→「音符の入力と編集」→「編集」→「トークンが含まれたテキストフレームを編集する際はプロジェクト情報ダイアログを開く」のチェックを外すと再度テキストフレームを編集できるようになります。
では、どうしてこんなことになっているのでしょうか?
ページテンプレート
まずはテキストトークンの仕組みをわかりやすく説明するために、ここまでページテンプレートの説明は省いてきました。
じつは作曲者などのテキストフレームは直接編集するのではなく、浄書モードにあるページテンプレートから編集することを想定しています。

編集のしかたは、前回の記事の「フロー見出し」と同様です。
テキストトークンをマスターしたら、ページテンプレートにもチャレンジしてみてください!
おわりに
Finaleで「ファイル情報」を使いこなしていたという方にとってはなじみやすそうですね!
前回の記事と合わせてテキストトークンを使いこなしてみてくださいね♪
次回もお楽しみ!