【Dorico】Tipsその32(タイでつながれた音符とスラー)  

Doricoで次のようなスラーを入力してみましょう。

(ショパンの《ノクターン》より)

これをそのまま入力しようとすると……

なんじゃこりゃ!

なんだかうまくいきませんね。というのもDoricoではタイでつながった音符1つの音符として扱われるので、記譜モードで片方だけを選択することができないのです(「Doricoの基礎 その4音符入力とリズムグリッド、キャレット)」参照)。

タイスラーが組み合わさるとき、タイはスラーの中に入れる、すなわちタイでつながった最初の音符からスラーが始まり、タイでつながった最後の音符でスラーが終わるように表記するのが一般的です[1][2]

一般的にはこう書きます。

この書き方はあまり見かけません。

Doricoはこれを踏襲しているわけですが、ときに例外的な表記をしなければならないこともありますよね。

ここでつまずいた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の記事を読めばバッチリなので、ご安心ください♪

個別に変更する

記譜モードあるいは浄書モードで1つめのスラーを選択し、プロパティパネルの「スラー」→「タイのつながりでの終了位置」をオンにして「最初の音符」を選択すると……

スラーの終了位置が変わりました!

2つめのスラーは「タイのつながりでの開始位置」を「最後の音符」にします。

できあがり

浄書オプションで変更

先ほどは個別に変更しましたが、一括で変更したい場合にはメニューバーの「ライブラリ」→「浄書オプション」→「スラー」→「タイでつながれた音符」で設定することも可能です。

タイでつながった真ん中の音符で終わるスラー

スラーの終わりにある音符が複数のタイつながっているときは、次のように書くこともあります。

「最初の音符」でも「最後の音符」でもない音符でスラーが終わる。

ところが、Doricoではこういった表記は通常不可能です[3]

しかしスラーの終点にあたる音符だけを別の声部にすることで、

回避することができます。

あとは余計な全休符(小節休符)を削除すればOKです♪

異なる声部にまたがるタイやスラーの入力方法については「Tipsその3(タイと臨時記号)」を、休符を削除する方法は「Tipsその27(声部その2:休符)」をご覧ください。

おわりに

Doricoは新時代の楽譜作成ソフトウェアというだけあって合理的に設計されていますが、そのユニークさゆえ、ほかのソフトから乗り換えた方には戸惑ってしまう点もあることでしょう。今回のスラーもその1つかもしれません。

しかしDoricoをマスターすればたちまち、もとのソフトに戻るなんてことは考えられなくなるはず☆

引き続き、ぜひ本コラムをお役立てください!

参考文献

  1. 平石博一著,東京ハッスルコピー監修『楽譜の書き方:ミュージック・コピーイストへのファースト・ステップ』第6版,東京ハッスルコピー,2020年,83〜84頁
  2. Elaine Gould著,『Behind Bars: The Definitive Guide to Music Notation』,ロンドン:Faber Music,2011年,112〜113頁
  3. Daniel SpreadburyによるSteinberg Forumsへの投稿,2019年(2025年8月13日閲覧)

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