【Dorico】Tipsその36(rit.やa tempoをイタリック体にする)
こんにちは。今回もDoricoお役立ちTipsをご紹介します♪
Allegro、rit.、a tempoなどの速度に関する指示は、Doricoではすべてテンポ記号というくくりになります。
テンポ記号を入力してみると……
なんだか見慣れない感じがしませんか?
日本やドイツの楽譜ではAllegroなどの速度標語はボールド体(立体の太字)に、rit.のような段階的な速度変化やそれをもとに戻すa tempoはイタリック体(斜体)になっているものが多いからです。
これだとしっくりきますよね!
というのもフランスやアメリカの楽譜はテンポ記号がすべてボールド体で書かれていることも多く、Doricoもこちらがデフォルトになっているのです。
楽譜は世界の共通言語といえど、所変われば品変わる、やはりいろいろな書き方があるわけですね。
さまざまな楽譜に対応すべくDoricoには豊富なオプションが用意されていますので、今回はこの設定方法を解説します!
ステップ1:パラグラフスタイル
Dorico(バージョン6以降)では、テンポ記号のフォントはパラグラフスタイルで定義されています。
メニューバーの「ライブラリー」→「パラグラフスタイル」を開きます。
「テンポ(即時)」はAllegroなどの速度標語、すなわち即時的な速度変化に使われます。
デフォルトでは「Academico」というやや太めのフォントが指定されています。このコラムで音楽フォントとして使っているChaconne Exは細身なので、テキストフォントにも細身のTimes New Romanを合わせています。Times New Romanは小ぶりなので、「テンポ(即時)」はデフォルトの11.0ptから少し大きめの14.0ptぐらいに変更するとよいでしょう。
「テンポ(段階的)」はrit.などの段階的な速度変化に使われます。スタイルが「Bold」になっているので「Italic」に変更します。
これでrit.が見慣れたイタリック体になりました。
ステップ2:浄書オプション
ところがa tempoはボールド体のままです。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、a tempoは「段階的」ではなく「即時」だからです。
しかしご安心ください。Dorico 6以降であれば変更が可能です。
メニューバーの「ライブラリー」→「浄書オプション」→「テンポ」カテゴリー→「相対変化」→「外観」に「相対変化および『a tempo』記号のパラグラフスタイル」という項目があります。
デフォルトでは「テンポ(即時)」を使う設定になっているので、「テンポ(段階的)」に変更して適用すると……
見慣れたスタイルになりました!
おわりに
イタリックにしたい速度記号を仕方なく譜表テキストとして入力していたという方もいらっしゃるかもしれません。これからはテンポ記号で入力できますね♪
テンポ記号ならプレイバックにも反映されますし、細かいカスタマイズも可能です。
ぜひお試しください!