【Dorico】Tipsその26(声部その1:基本)

今回はDoricoにおける声部をご紹介します。

Sibeliusでも同じく声部、Finaleではレイヤー(およびボイス)に相当する機能ですが、これらのソフトから乗り換えた方にもわかりやすいように解説しますよ♪

声部の基本

まずは単声部を入力してみます。

バッハ《平均律クラヴィーア曲集》より

音符入力モード、すなわちキャレットが表示されている状態でメニューバーの「記譜」→「声部を作成」をクリックすると(ショートカットキーは[Shift]+[V])、キャレットの左下に「+」と下向きの音符のマークが表示されます。

これは、今から「符尾が下向きの声部」に音符を入力しようとしていることを示しています。

この状態で音符を入力しました。

音符をひとつだけ選択すると、ステータスバーにその音符が属する声部の名前が表示されます。

ほかのソフトは「声部(レイヤー)1」「声部(レイヤー)2」……という名前ですが、Doricoでは符尾が上向きか下向きかが明示されているのが大きな違いです。

メニューバーの「ビュー」→「音符と休符のカラー」→「声部カラー」で声部ごとに色をつけることもできます。

「符尾が上向きの声部1」が水色、「符尾が下向きの声部1」が赤紫色。

ここからは説明のために声部カラーをオンにしますが、筆者はふだんオフでDoricoを使っていますよ♪

3つ以上の声部

複雑な楽譜になると3つ以上の声部が必要になることもありますよね。

[Shift]+[V]キーを押すと、いくつでも声部を作成できます。

これは「符尾が下向きの声部2」を表わします。

※上向きの声部を作りたい場合、もう一度[Shift]+[V]キーを押すと「符尾が上向きの声部2」になります。

音符や連桁(れんこう)がぶつからないように自動調整してくれるのはさすがですね!

声部の切り替え

音符入力モード(キャレットが出ている状態)でメニューバーの「記譜」→「次の声部」をクリックするか[V]キーを押すと、入力する声部を切り替えられます。

Sibeliusの声部やFinaleのレイヤーは数が4つと決まっていますが、Doricoでは声部はデフォルトで1つしかないので[V]キーを押しても何も起きません。言い換えると上限がないのです!

適宜[Shift]+[V]キーで声部を増やしていきましょう。

フィルター

特定の声部の音符だけを選択したいときに役立つのがフィルターです。

音符をすべて選択し、右クリック→「フィルター」→「声部」から狙った声部が選択できます。個別の声部だけでなく「すべての符尾が上向き/下向き」という絞り込み方ができるのもユニークですね♪

おわりに

ここまではDoricoにおける声部の基本を解説してきました。

まだまだ疑問も多くあることでしょう。たとえば、1小節目は「符尾が上向きの声部1」が空っぽなので、「符尾が下向きの声部1」が上を向いてしまっています。

このように全休符(小節休符)を入力したいのですが、どうすればよいでしょうか?

次回はこういった操作方法など、声部を使いこなす方法をご紹介します。お楽しみに!

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