【Dorico】Tipsその45(楽器の持ち替え その1)
今回はDoricoで楽器の持ち替えを指定する方法です。
- フルートとピッコロ
- オーボエとイングリッシュホルン(コーラングレ)
- アルトサックスとソプラノサックス
- マリンバとスネアドラム
のように、1人の奏者が複数の楽器を兼任することがありますよね。
従来の楽譜作成ソフトでも持ち替えの表記は可能でした。→Finaleの記事
しかしDoricoはほかのソフトにはない、プレーヤーという現実世界で実際に演奏するプレーヤー(演奏者)に対応する概念があります。
これにより、楽器を指定してあげると、あとはDoricoがイイカンジに表記してくれるのです!
今回はアルトサックス(in E♭)からソプラノサックス(in B♭)、さらにスネアドラム(1線譜)に持ち替える指示を含む楽譜を作成してみます。
プレーヤーに楽器を持たせる
まずは現実世界と同様、プレーヤーに楽器(インストゥルメント)を持たせるところから始まります。
まずは「設定モード」の左ゾーン、「プレーヤーパネル」左下の「シングルプレーヤーを追加」ボタンをクリックして、アルトサックスを追加します。

枠で囲ったアイコンが「シングルプレーヤーを追加」ボタンです。右隣のアイコンはセクションプレーヤーで、楽器を複数持つことはできません。
次に、アルトサックスのプレーヤーに別の楽器を持たせたいので、カード右上の「+」をクリックします。

音符も入力してみました。
すると楽器作成画面が出てくるのでソプラノサックスを追加し、同様の手順でスネアドラムも追加します。

アルトサックスとソプラノサックスとスネアドラムを持つ、1人のプレイヤーが誕生。
ところが楽譜のほうには変化がありません。どういうことでしょうか?
ギャレービューの特権
Finaleにはスクロール表示、Sibeliusにはパノラマといって、楽譜をひたすら横にスクロールして表示する機能がありましたね。
Doricoにも同様の機能があります。
- ページビュー:実際に印刷されるページと同じ表示。
- ギャレービュー:楽譜をひたすら横方向にスクロールして表示。
- フィルビュー:Dorico 6から新登場。画面サイズいっぱいに表示。
これらはメニューバーの「ビュー」、あるいはウィンドウ下部のボタンで切り替え可能です。

メニューバーからショートカットキーも確認できるので、覚えて使いこなしましょう☆
ギャレービューに切り替えると、すべての楽器が表示されます。

ギャレービュー
ギャレービューで音符を入力し、

ページビューに切り替えると……

なんということでしょう! 楽器名の表示、移調楽器の設定、譜表の本数の変更などが自動手設定されたではありませんか!
これは見事です。
おわりに
今回はプレーヤーに楽器を複数持たせて、持ち替えを表記する方法をご紹介しました。
ギャレービューで編集、ページビューに反映、ここがミソですよ!
次回は、持ち替えの表記をカスタマイズする方法をご紹介します。
楽器名の枠線を非表示にしたり、「To S.Sax.」という持ち替えの予告を表示したり、「S.Sax. in B♭」のように楽器の調を表示したり……自由自在です。お楽しみに♪

