【Dorico】Tipsその72:特定の声部につくフェルマータ

前回、Doricoでのフェルマータの入力方法やリズムの位置の考え方について解説しました。

譜表ごとの最大フェルマータ数は変えられるものの、譜表あたりゼロにすることはできない、すなわち特定の声部にだけフェルマータを入力することはできないのです。

通常の操作では入力できない、特定の声部だけのフェルマータ(ショパン:《練習曲》イ短調 作品25-11)

理屈としては正しいフェルマータ

なんて融通が利かないんだ! とお思いになるかもしれませんが、Doricoではフェルマータは音符声部に紐づくのではなく、(リズムの位置)に紐づくものなのです。

フェルマータがあるパート譜とないパート譜が混在しているまま合奏しようものなら……リハーサルは大混乱ですよね。Doricoはそんなトラブルを防いでくれるということなんです。

何らかの理由でフェルマータを特定の音符にだけ入力する必要がある場合は、演奏技法として作成します。

演奏技法の作成

メニューバーの「ライブラリー」→「演奏技法…」を選択し、「演奏技法を編集」ダイアログを開きます。

ダイアログ左下の「+」ボタン(新規作成)をクリックしたら、以下のとおりに設定します。

  • 名前:「フェルマータ」などわかりやすいものでOK。
  • タイプ:「テキスト」から「グリフ」に変更。
  • 外観:「上下によって異なる」を選択。
  • ポップオーバーテキスト:「fer」などお好みで。

つづいて、「単独/外観の上にある場合」の鉛筆ボタンをクリックします。

「外観の上にある場合」=音符の上にある場合の外観です。

「演奏技法の外観を編集」ダイアログが開きます。

デフォルトでは「新規の演奏技法」というテキストが入っているので、ゴミ箱アイコンで削除します。

ダイアログ右側を見ると「フォント」に「Bravura」が選択されていますが、Chaconne Exなどのフォントを使用している場合は切り替えるのをお忘れなく。

「範囲」は一番上の「All ranges[…]」を選択し、検索ボックスに「fermata」と入力すると、フェルマータのグリフ(記号)がたくさん現れます。

今回は上向きのフェルマータを選択し、右下の「グリフを追加」をクリックしたら、「OK」ボタンでダイアログを閉じます。

同様に、「外観の下にある場合」には下向きのフェルマータを追加します。

「OK」ボタンで閉じると……

いま作成したフェルマータが「演奏技法」パネルに追加されましたね!

これをクリックすれば楽譜上に追加できるのはもちろん、[Shift]+[P]キー(playing techniques=演奏技法の頭文字)で演奏技法ポップオーバーを呼び出し、先ほど設定したポップオーバーテキスト(ポップオーバーエントリー)を入力することでも入力できます。

おわりに

「演奏技法を編集」ダイアログで「☆」ボタンをクリックするとデフォルトとして保存され、次回以降新規作成したプロジェクトにも引き継がれます。

デフォルトとして保存されているときは「☆」が「★」のように塗りつぶされます。

フェルマータ以外にもいろいろな記号を入力するのに応用できますので、ぜひ演奏技法を使いこなしてくださいね!

Follow me!