【Dorico】Tipsその66:レイアウト(改行、改ページ)その1
今回はDoricoで組段の改行(改段)や改ページの位置を調節したり、1段あたりの小節数を固定したりする方法をご紹介します。

Doricoにおける譜表と組段。Finaleではそれぞれ五線と組段と呼んでいました。
これらは浄書モードで手動調節できることをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待ってください!
メニューバーの「ライブラリー」の中には記譜オプション、浄書オプション、レイアウトオプションなどさまざまなオプションがありますが、まずはこれらを適切に設定し、それでも希望の結果が得られない場合のみ浄書モードで最小限の手動調整をするというのがDoricoを使ううえでの心得です。
Doricoにおける“レイアウト”とは
今回は改行や改ページ、すなわちレイアウト(=割り付け、配置)に関わる設定だからレイアウトオプションを開く……というのは正解なのですが、100点満点の説明ではありません。
レイアウトオプションは先述のとおりライブラリーメニューから開くほか、設定モード右側のレイアウトカードを右クリックして開くこともできます。

「Piccolo」というレイアウトのレイアウトカードを右クリックしたところ
Doricoでは、フルスコアやパート譜をレイアウトという単位で扱います。詳しくは「【Dorico】FinaleからDoricoへ!Doricoの基礎 その2(プレーヤー、フロー、レイアウト)」をご覧ください。
レイアウトオプションを開くと、ダイアログ右側で設定対象とするレイアウト(フルスコアやパート譜)を選択することができることがわかります。

つまり、レイアウトオプションとはレイアウトという単位ごとの設定項目ということなのです。これにより、フルスコアはA3サイズ、パート譜はA4サイズといった設定も可能になるのです。
音符のスペーシング
レイアウトオプションの「音符のスペーシング」カテゴリーを開きます。

「4分音符のデフォルトスペーシング」が楽譜の密度を決定します。

「3」にした場合

「6」にした場合
理想的なスペーシングになるように、この値を適宜調節しましょう。
上級者向け:スペーシング密度
「4分音符のデフォルトスペーシング」がデフォルト値の4スペースの場合、4分音符のスペースが4スペース(=4間分)になり、ほかのデュレーション(音価)の音符も「カスタムのスペーシング比」に沿って配置されます。もちろんこれはギャレービュー(Finaleでいうスクロール表示、Sibeliusだとパノラマに相当)の話であって、ページビューではページ(厳密には楽曲フレーム)の左右いっぱいに引き伸ばされることになります。
この差を表わすのが、浄書モードで組段の右側に表示されている「○○.○%」という割合です。これがスペーシングの密度を表わしているのです。
「4分音符のデフォルトスペーシング」が4スペースに設定されている場合、4分音符の実際のスペースが4スペースになっているとき密度が100%になるはずです。
- 緑:密度が適切(60%以上100%以下)。
- 紫:密度が低い(60%未満)。音符がスカスカな可能性。
- 赤:密度が高い(100%超過)。音符が詰まり過ぎている可能性。
垂直方向のスペーシング
改ページ位置に大きく関わってくるのが、譜表から譜表までの間隔や、組段から組段までの間隔です。

レイアウトオプションの「垂直方向のスペーシング」カテゴリーで、それぞれの最小値や衝突回避のオン・オフ、最小間隔を設定できますので、最初に適切な値にしておきましょう。
※少しわかりづらいのですが、組段と組段の間隔は「組段内の間隔」で設定します。原語はInter-system gapなので、「組段間の間隔」「組段どうしの間隔」などと訳したほうが親切かもしれません。

とはいえ、イラストがあるのでわかりやすいですね!
組段あたりの小節数を固定
ポピュラー音楽の楽譜では、1段あたり4小節に固定することがよくあります。これはレイアウトオプション▶「譜表と組段」▶「組段あたりの小節数を固定」で設定できます。
もちろん、あとから部分的に3小節にしたり5小節にしたりすることは可能ですのでご安心ください。
おわりに
今回はレイアウトオプションで下準備を行なうところまでを解説しました。
Doricoは設定値をもとに適切にレイアウトしてくれますが、いつでもベストな配置になるとは限りませんよね。
ということで次回は改行や改ページを手動で挿入する方法をご紹介します。

