【Finale】複声部の入力は、[編集中のレイヤーのみ表示]を使いこなす!〜効率の良い作業のために⑧
みなさん、こんにちは!
今回は、[書類]メニューにある、[編集中のレイヤーのみ表示]機能についてご紹介します!
通常、複声部が入力されると楽譜にはすべてのレイヤーが表示されますが、
この機能をオンにしておくと、
文字通り、「そのとき編集しているレイヤーのみが表示される」のです。
これだけだと「それがどうした」と思ってしまいがちですが、複声部の入力・編集においては、この機能は作業を非常に楽にしてくれます!
この機能、最大のメリット
この機能は、実は「編集中のレイヤーのみを表示させる」ことよりも、「編集中でないレイヤーを非表示にする」ことに大きな意味があります。
実は、この機能によって非表示になっているレイヤーは、「ほとんどのツール・操作の影響を受けない」のです!以下の2つの実用例を通して、さらに具体的にご説明いたしましょう!
実用例1〜アーティキュレーションを一方のレイヤーにだけ入力する
少し本筋から逸れますが、以前のコラムで「マクロキーによる入力」をご紹介しました。
そこでは主にクリックについて紹介をしていましたが、「マクロキーを押したまま楽譜範囲をドラッグすると、その範囲中の音符にそのマクロキーのもつ情報が入力される」という入力テクニックがあります。
この譜例は、レイヤー2にだけテヌートが記譜されています。
このテヌートの入力も、[アーティキュレーション・ツール]の状態でテヌートのマクロキーである「E」キーをタイプしながら範囲をドラッグすることで入力したのですが、この操作はどのレイヤーにもその効果を発揮してしまい、通常ですとレイヤー1にもテヌートが表示されてしまいます。
そこで、[編集中のレイヤーのみを表示させる]機能の出番です!
レイヤー2に表示を選択し、[編集中のレイヤーのみを表示させる]にチェックを入れます。
この状態で、[アーティキュレーション・ツール]にして「E」キーをタイプしながら2小節をドラッグして範囲選択します。すると、
レイヤー2にテヌートが入力されました。
[編集中のレイヤーのみを表示させる]の機能をオフにしてみましょう。すると、
レイヤー1にはなんの影響も及ぼさずに入力が完了しました!
実用例2〜コピー&ペーストを一方のレイヤーにだけ適用させる
次の譜例をご覧ください。
2小節目のレイヤー2が全休符になっていますが、この状態のまま、1小節目のレイヤー1の楽譜をコピー&ペーストしてみます。しかし、
このように、通常の操作の仕方ではレイヤー2も1小節目のものと同じものになってしまい、全休符が上書きされてしまいます。
こうした「一方のレイヤーにだけ、コピー&ペーストを適用させる」ためにも、[編集中のレイヤーのみを表示させる]機能が有効です!
まず、レイヤー1に表示を選択し、[編集中のレイヤーのみを表示させる]にチェックを入れます。
この状態で1小節目を2小節目にコピー&ペーストします。
[編集中のレイヤーのみを表示させる]の機能をオフにしてみましょう。すると、
レイヤー1にだけコピー&ペーストが適用されました!
いかがでしたでしょうか。
レイヤーごとに編集ができると、複声部の楽譜はとってもスムーズに作業できるようになりますよ!
それでは、また次回の更新をお楽しみに!