【Dorico】Tipsその25(音符ツールで音程を追加,移調)
前回「トップノートのみを指定した和音」で、和音モードを使って複数の音符にまとめて和音を追加する方法をご紹介しました。
次はDoricoにおける声部の説明をしようと思っていたのですが、その前にご紹介しなければならない機能がありました!
今回は音符ツールを使った音程の追加と移調について解説します。
これが、次回の声部にも活きてきますよ〜!
音符を追加
百聞は一見にしかず、まずはお目に掛けましょう。

(ジョプリン『エンターテイナー』より)
こんなフレーズを入力してみました。
音符を選択したら、右ゾーンにある「ポップオーバー」をクリックすると現れる「音符ツール」を選択します。

「音符ツール」は「ポップオーバー」を選択しないと現れません。音符とスパナー(工具)のようなアイコンですね。
ショートカットキーは[Shift]+[I]です。Interval(音程)の頭文字で覚えましょう♪
「音符ツール」ポップオーバーが現れるので、
「3,8」と入力して[Enter(Win)/Return(Mac)]キーを押すと……
3度上と8度上の音が追加されました!
では下に追加する場合はというと、負の数を指定すればよいのです。

こうすると、

こうなります。
さらに、後ろに「top」と入力すると和音の最高音だけに、「bottom」と入力すると最低音だけに追加されます。

こうすると、

こうなります。
さらにさらに、
- 長3度:「M3」「maj3」
- 短3度:「m3」「min3」
- 完全5度:「p5」「per5」「perf5」
- 増4度:「a4」「aug4」
- 減5度:「d5」「dim5」
というふうに音程を指定することもできます。

ハ長調の場合の例。
ちなみに、「maj3bottom」を「maj 3 bottom」のように半角スペースを挟んで入力してもOKです。
移調
Doricoでは、調号を書き換えても入力済の音符は移調されません。

ハ長調のスケール。
調号をト長調に変えても、
このように、移調はされません。
移調したい場合は音符を選択し、メニューバーの「記譜」内にある「移調」ダイアログで行ないます。

わかりやすいインターフェースで、調号も一緒に変更することもできます。
先ほどの「音符ツール」でも、最初に「t」を入力することで移調ができます。Transpose(移調)の頭文字ですね♪
ハ長調のスケールを選択し、
「音符ツール」ポップオーバーで「t5」と入力すると、
5度上に移動しました。 ではト長調に移調するにはどうすれば?
お気づきの方もいるかもしれませんね。完全5度上ですから、「t5」の代わりに「tp5」あるいは「t per5」と入力すれば……
できました!
※やはり半角スペースはあってもなくても構いません。
「top」「bottom」はここでも有効です。

こうすると、

こうなります。
おわりに
ほかの楽譜作成ソフトにも似たような機能はありますが、このスマートさには感動しますよね!
次回こそは声部について解説します。
音符ツールと声部を活用することで、上声部のメロディーに3度下のハモりの下声部を追加する、といったことも瞬時に可能なんです。
それでは、次回もお楽しみに♪