【Dorico】Tipsその10(ドラム譜:上級編)

前回に引き続きDoricoでドラム譜の見た目を変える方法ですが、今回はさらにワンランク上を目指す方必見の解説です!

今回もドラム譜にフォーカスを当てていますが、ドラム譜を書かない方にもお役立ちの情報がありますよ♪

音部記号を変える(移調楽器にも!)

ドラム譜などの無音程打楽器には縦線が2つ並んだような音部記号が使われますが、伝統的にヘ音記号(バス記号)を使うこともあります。

標準の音部記号を変えるには「インストゥルメントを編集」ウィンドウを開きます。

「インストゥルメントを編集」ウィンドウはここ!


なんだか難しそう? いえいえ、ご安心ください♪

音部記号を「Bass Clef」(バス記号)に変更して、「OK」で閉じるだけです!

ヘ音記号になりました。

ちなみに、バスクラリネット(in B)やバリトンサクソフォン(in E)はト音記号(トレブル記号)で書かれますが、音域が低いので実音譜に切り替えると加線だらけになってしまいますよね。

「移調レイアウトではないレイアウトの音部記号」を「Bass Clef」にしておけば、移調譜はト音記号、実音譜はヘ音記号に切り替わるので便利です。

ほかにも「声楽の譜表」にチェックを入れれば強弱記号がすべて上側に付くようになり(下にあると歌詞と干渉するため)、「譜表線の数」を変えれば3線や6線といった特殊な譜表を作れちゃいます。

いろいろなオプションがあるので、試してみてくださいね!

音楽フォントについて

ここまでの画像には、音楽フォントとして「Chaconne Ex」を使用してきました。

Chaconne Exを使用

Doricoデフォルトの「Bravura」だとこのような見た目になります。

Bravuraを使用

前回ご紹介した方法で符尾の接続位置を調整すれば、BravuraでもChaconne Exと同様「X」の真ん中に符尾をつなげることも可能です!

Bravuraも非常に美しいフォントですが、クラッシュの「丸付きX符頭」はちょっと小さく、なによりハーフオープンの違いが大きいですね。

Chaconne Exは国内の楽譜に合わせてデザインされていますので、親しみやすいと思います♪

上級者向け:見やすいスペーシングに

これまでご紹介した方法で、ドラム譜を見慣れたスタイルに変えることができましたね!

でも、ハイハットがなんだか均等に並んでいないように見えませんか?

「浄書モード」で「音符のスペーシング」(画像の赤で囲ったボタン)をクリックすると、スペーシングのハンドルと破線が表示されます。

Finaleを使っていた方、「拍図表」に似ていませんか?

拍の位置は均等なのですが、スネアは黒玉符頭の右端に、ハイハットはX符頭の中央に符尾がつながっていて、スペーシングの基準点が符頭の左端であることによっていびつに見えるのです。

2拍目頭のハンドルをクリックすると、下に丸いハンドルハンドルが表示されます。

このハンドルをクリックすると赤色になるので、[Alt(Windows)/Option(macOS)]+[←]キーを何回か押して音符を左に動かし、ハイハットの音符が均等に並ぶように調整します。

2つめのスネアも同様に調整すると、このようになります。

比べると、調整後のほうが美しく見えないでしょうか?

調整前

調整後

とはいえ、譜面の状況によってはかえって見にくくなることもあり、なんでもかんでもいじればよいというものではありません。このあたりは腕の見せ所ですね♪

ちなみに、これはDoricoに限らずFinaleなどどんな楽譜作成ソフトでも同じような問題が発生します。市販のドラムの楽譜をよ〜く見てみると、きれいに見えるように手作業で調整されていることに気づきます。骨の折れる作業ですが、浄書家ってすごいですね!

おわりに

今回はドラム譜の見た目をレベルアップする方法をご紹介しました。

次回はドラム譜や弦楽器のハーモニクス(フラジオレット)などで使われる菱形の符頭についてを解説する予定です。お楽しみに!

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