【Chaconne Ex】美しい楽譜を書こう! その1(楽譜の見た目を変える)
こんにちは!前回までは音符入力などの操作方法について解説してきました。今回はDoricoで楽譜の見た目を変える方法についてご紹介します!
音楽フォントで見た目を変える
Doricoで用いられる音楽記号には音楽フォントが使用されています。

Doricoのデフォルトフォント「Bravura」を使用した例。(ショパンの前奏曲より)
「Allegro」や「leggiero」といった文字列がフォント(以下テキストフォント)で描画されているように、ト音記号、音符、休符、臨時記号などの記号はすべて音楽フォントで描かれています。(ちなみに拍子記号、運指、連符は数字ですが、これも音楽フォントです。)
メニューバーの「ライブラリー」から「音楽フォント」ダイアログを開くと、現在インストールされている音楽フォントの一覧が表示されます。
ためしに「Petaluma」を選択してみると……

手書きふうフォント「Petaluma」を使用した例。
雰囲気がガラッと変わりましたね! 写譜ペンで丁寧に清書したようなフォントです。音楽フォントによっては最適なテキストフォントの情報も持っているので、Petalumaであればテキストフォントも自動的に手書きふうのものに変わっています。(ダイアログにある「音楽フォントを変更するときはテキストフォントを更新」のチェックを外せば変わりません。)
楽譜の見た目を変えるには、音楽フォントを変えるのがもっとも簡単な方法ですね! Doricoにはほかにも音楽フォントが搭載されていますので、いろいろ試してみてください。
新発売のフォント「Chaconne Ex」
Doricoでは、「SMuFL」(スムーフル)と呼ばれる規格に対応しているサードパーティーの音楽フォントも使うことができます!
ところで、日本における出版楽譜のほぼすべてはFinaleで作られていて、音楽フォントには弊社が販売する標準音楽記号フォント「Chaconne」(シャコンヌ)が使われています。国内のほぼすべての出版譜に弊社製品が使われているって、すごいですよね!
そのChaconneはSMuFLに対応していなかったので、これまでDoricoでは使うことができませんでした。
しかしこのたび、Chaconneの後継としてSMuFL対応版の「Chaconne Ex」(シャコンヌ・イーエックス)が発売されました。SMuFLに対応したということでDoricoでも利用できるようになっただけでなく、収録記号数が大幅に拡充されていますよ!
Chaconne Exがインストールできたら、先ほどと同じように「音楽フォント」ダイアログから「Chaconne Ex」を選ぶだけです!(ただし、Chaconne Exのポテンシャルを完全に活かすための設定方法については公式サポートページをご覧ください。)

Bravura(Doricoデフォルト)

弊社製品「Chaconne Ex」フォント
いかがでしょうか。さきほどの手書きふうフォント「Petaluma」ほどの劇的な違いこそありませんが、Bravuraは太くて力強い感じ、Chaconne Exは細身でシュッとした感じがしませんか?
Finaleのような楽譜作成ソフトが登場する前、日本ではおもにハンコと手書きによる職人技で出版譜が作られていました。Chaconneはその時代のデザインを踏襲しているので、Bravuraよりしっくりくるという方も多いのではないでしょうか?
浄書オプション
ところで先ほどの楽譜のペダル記号は「Ped.──┘」という表記になっていますが、ペダルを踏むところで「Ped.」、離すところで「*」を書くというスタイルもよく見ますよね。
メニューバーの「ライブラリー」メニューにある「浄書オプション」ダイアログから設定することができますよ!

「浄書オプション」ダイアログの「ペダル線」の外観に関するオプション。さまざまな設定項目がありますね!
浄書オプションで設定した内容は、プロジェクト内のすべての記号に適用されます。浄書オプションには驚くほど多くの設定項目があります。

日本の楽譜特有の設定もありますよ!
おわりに
今回は外観を変える方法についてご紹介しました。ぜひ、Chaconne Exを美しい楽譜づくりにご活用ください! 次回も引き続き、Chaconne Exの豊富な記号を活用するための方法を解説する予定です。お楽しみに!