【Dorico】Tipsその4(いろいろな拍子記号)
Doricoでは右ゾーンの拍子記号パネルから拍子記号が入力できますが、ポップオーバーを使えばより複雑な拍子記号を作成できます。基本的な拍子記号の入力方法とポップオーバーについては「Doricoの基礎 その3(調号と拍子記号)」をご覧くださいね♪
今回は、ポップオーバーを使っていろいろな拍子記号を入力する方法をご紹介します!
※この記事内はすべて記譜モードでの操作です。
標準拍子と不完全小節
Doricoでは、変拍子でない拍子を標準拍子と呼んでいます。単純拍子の4/4拍子、複合拍子の6/8拍子などですね!
拍子記号のポップオーバーを開くには、入力したい箇所の音符等を選択し[Shift]+[M]キーでした。

「1拍のアウフタクトで始まる3/4拍子」は「3/4,1」と入力します。
ところで上の譜例のように不完全小節で始まる場合、最後の小節もアウフタクトの拍だけ短い不完全小節にすることがありますよね。
4分休符を選択した状態で終止線を引くと……
不完全小節になりました! くれぐれも、4分休符を削除したり非表示にしたりしないように。

終止線を引くには右ゾーンの「小節と小節線」パネルから終止線を選択するか、[Shift]+[B]キーで開く「小節と小節線」ポップオーバーに「fine」と入力します。
補足
譜面の状況によっては終止線の後ろに小節休符(全休符)が表示されるかもしれません。
こうなった場合はメニューバーの「記譜」の一番下、「フローをトリム」を実行すれば修正できます!
混合拍子
5拍子(3+2拍子あるいは2+3拍子)のように、単純拍子を複数組み合わせたものを混合拍子といいます。
入力も簡単で、たとえば(3+2)/8拍子なら「3+2/8」とポップオーバーに入力するだけです♪
分子を[〜]でくくると合計の数字だけが表示されます。

入力後でも、下ゾーンの「拍子記号」パネルにある「分子スタイル」で切り替えられますよ!
入れ替え可能な拍子
3/4拍子と6/8拍子のように合計の音価が同じ、すなわち約分すれば同じになる拍子記号を並べて書くことがありますよね。
これをDoricoでは入れ替え可能な拍子と呼んでいます。
括弧でくくる表記、イコールでつなぐ表記などさまざまありますが、どれもポップオーバーで直感的に入力することができますよ!

丸括弧でくくる場合。左括弧の前にスペースが必要です。

斜線で並べる場合。「/」の前後にスペースが必要です。

イコールで結ぶ場合。「=」の前後にスペースが必要です。
これらの外観は下ゾーンの「拍子記号」パネル内、「区切り用文字」でも切り替えられます。

角括弧でくくったり、ハイフンでつなげたりすることもできます。
交互拍子
ポップオーバーで2つ以上の拍子記号を「+」でつなげれば、1小節おきに交互に変わる交互拍子も入力できます! 「+」の前後にはスペースが必要です。

4拍子と3拍子が交互に現れるケース。

先ほどの入れ替え可能な拍子と似たケース。交互拍子を使うと連桁や休符も適切にグループ化されます!
結合拍子
先ほどの交互拍子と似ていますが、2つ以上の拍子を結合して1つの拍子にする場合は結合拍子を使います。ポップオーバーで2つの拍子を「|」でつなげて入力しますが、こちらはスペースは不要なのでお気をつけを!

交互拍子とは異なり、こちらは8分音符7つで1小節です。そのため区切りには破線の小節線が表示されます。小節休符(全休符)しかない小節に破線は表示されません。
おわりに
ここまでご紹介した知識はポップオーバーだけでなく、拍子記号パネルで入力する場合でも活かせそうです。ポップオーバーが難しいと感じられる場合は、まずは拍子記号パネルから触ってみてくださいね♪
次回はパートごとに異なる拍子記号(ポリリズム、ポリメトリック)を入力する方法をご紹介する予定ですので、お楽しみに!