【Dorico】Tipsその3(タイと臨時記号)
こんにちは! 今回はDoricoのタイと臨時記号にまつわるお話です。
記譜モードで音符を1つ選択し、左ゾーンの「タイ」をクリックするか[T]キーを押すと次の音符とタイでつながりますよね。ここよくあるであろう「困った!」を解消するTipsをご紹介します♪
厳密にいうと、この操作はタイそのものを入力するというわけではなく、次に続く音符と音価(デュレーション)をつなげる操作です。そのため、4分音符2つをつなげると文脈によっては2分音符として表示されます。詳しくは「Doricoの基礎 その4」をご覧ください!
声部をまたぐタイ
次の音符を選択してTキーを押しても、タイは入力できません。

(ショパンの練習曲より)
というのも、先に紹介した方法は同じ声部にある音符どうしにしか使えないからです。
こういうときは、[Control(Windows)/Command(macOS)]キーを押しながらタイでつなぐ相手の音符も選択してから[T]キーを押すと……

タイでつながりました!
異名同音をつなぐタイ
E音とF♭音のような異名同音どうしをタイでつなげることがありますよね。

(ショパンのワルツより)
これをタイでつなげようとすると……

タイでつながりましたが、F♭音がE音に変わってしまいました。
これをF♭音に戻したいので、異名同音に変換するショートカット
- JISキーボード:[Alt/Option]+[^]キー、[Alt/Option]+[-]キー
- 英語キーボード:[Alt/Option]+[+]キー、[Alt/Option]+[-]キー
を使いたいところですが、記譜モードではタイでつながった一方の音符だけを選択することができません。Doricoはタイでつながった音符を1つの音符として扱うからです。(不便と思われるかもしれませんが、前述の仕様を考えると合理的です。)
しかし、浄書モードに切り替えれば一方の音符を選択できます!

浄書モードで先ほどのショートカットを使うと、後ろの音符だけ異名同音に変更できました!
補足
タイが拍子記号とぶつかって美しくないと感じる場合は、メニューバーの「浄書オプション」→「調号」→「調号の変化記号の背景をこの幅で塗りつぶす」にチェックを入れてみてください。拍子記号も同様に設定できますよ♪

見た目を調整した例。
タイでつながった後ろの音符の臨時記号
臨時記号が有効なのはその小節内のみ、ただしタイでつながった音符は小節線を越えて有効(臨時記号を書く必要がない)、というのは基本的なルールですよね。

(同じくショパンのワルツより)
とはいえ上の例のようにタイが行やページをまたぐ場合など、タイでつながった後ろの音符にも念のため臨時記号を表示しておくこともあります。
これも先ほどと同じく浄書モードに切り替えてから臨時記号を表示させたい音符を選択し、下ゾーンのプロパティパネルから臨時記号を「表示」にすれば完成です!

臨時記号を「表示」の代わりに「丸括弧」や「角括弧」を選択すれば、括弧に入れることもできますよ。
おわりに
タイ関連でつまずいた方も多かったのではないでしょうか? 今回の記事がお役に立てば幸いです。
次回以降もTipsを紹介してまいりますので、お楽しみに!