【Dorico】Tipsその21(2nd time onlyその1:再生を抑制、小音符)
今回から2回3回にわたって、ポピュラー音楽でよく用いられる1st time onlyや2nd time only……といった繰り返しで異なる演奏を指示する表記方法やプレイバックへの反映方法を解説しながら、Doricoのいろいろな便利機能にも触れていきます!
譜表テキストとして書く
もっともかんたんな方法は譜表テキストを使う方法でしょう。

「Play」は「いつも演奏せよ」という指示です。
譜表テキストは[Shift]+[X]キーで入力できます。
譜表テキストと組段テキストについては「美しい楽譜を書こう! その2(スウィング記号を入力する)」で復習してくださいね♪
小音符で表記する
1回目と2回目で節回しが少し異なる場合に、2回目を小さな音符で表記することがありまよね。

合唱譜でよく見かける表記です。
まずは2つの声部に音符を入力します。
つぎに符尾が下向きの声部の音符だけを選びたいのですが、ここでフィルターが活躍します☆
とりあえず声部のことは気にせず一気に選択し、
右クリック→「フィルター」→「声部」→「すべての符尾が下向きの声部」を選択すると……
下向きの声部だけが選択されました!(ミとファの符頭が重なっていますが、下向きの声部だけが選択されています)

ほかの楽譜作成ソフトにも特定の声部だけを選択する機能はありますが、Doricoではその声部が何番かわからなくても符尾が「上向き」「下向き」で指定できるのがユニークです。
小さくしたいのは音符だけなので、歌詞なども一緒に選択されてしまっている場合は右クリック→「フィルター」→「音符と和音」で絞り込みましょう。
あとは下ゾーンの「一般」パネルから「スケール」を「キュー」(=ガイド音符の大きさ)にすると……
完成です!
プレイバックに反映する
上向きの声部の音符を選択し、下ゾーンの「一般」パネルにある「再生を抑制」を「特定の繰り返し時」に、「抑制する繰り返し数」には「2」と入力します。
これで2回目はプレイバック時に再生されなくなります。
同様に、下向き声部の音符は「抑制する繰り返し数」を「1」にすれば完成です!
ここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、「再生を抑制」を「常時」にすれば繰り返し記号がなくともつねにプレイバックに反映されません。表示用の音符とプレイバック用の音符を分けるようなこともできるかもしれませんね。
また「抑制する繰り返し数」はコンマ(,)やハイフン(-)で複数指定することもできます。「2,4」と入力すると2回目と4回目が、「2-4」と入力すると2回目から4回目までが再生されなくなるので、複雑な制御も可能ですね♪
次回へつづく
次回からは括弧や線を使った表記の入力方法を解説します。
Doricoではこれらをスマートに入力できるので、お楽しみに!