【Dorico】FinaleからDoricoへ!Doricoの基礎 その4(音符入力とリズムグリッド、キャレット)

前回まではDoricoの基礎中の基礎を説明してきましたが、いよいよ今回はDoricoの音符入力方法をご紹介します!

音符入力のキホン

記譜モードで譜表をダブルクリックするか、[Shift]+[N](Nはnote=音符の頭文字)で音符入力モードになります。

音符入力モードではオレンジ色のリズムグリッドとキャレットが表示されます。リズムグリッドは譜表における拍の位置を可視化したもので、画面左下の音符のアイコン(書とカットは[Alt(Windows)/Option(macOS)]+[「]、[Alt/Option]+[」])で間隔を変えることができます。DAWのMIDIエディターみたいですよね!

キャレットは音符を入力する位置を示し、これはテキストエディターやワープロソフトで文字の入力位置を示すキャレットと同じです! キャレットはキーボードの左右矢印キーで移動できます。

デフォルトでは先に音符の長さ(デュレーション=音価)を指定してから音の高さ(ピッチ=音高)を指定します。Finaleでいうステップ入力と似た方式ですね! 試しに2拍目に2分音符を入力してみます。左ゾーンから2分音符のアイコンを選択し(ショートカットは[7]キー)、矢印キーでキャレットを2拍目に合わせ、コンピューターの(文字の)キーボードまたはMIDIキーボードで音程を入力します。文字のキーボードは英語音名の[A]〜[G]キーを使用します。

すると2分音符が入力されるかと思いきや、タイでつながった4分音符が入力されたではありませんか!

いま行った操作は厳密にいうと「2分音符」を入力したのではなく「2分音符分の長さを持つ音符」を入力したのであって、それをDoricoは一定のルールに従って表示するのです。

……いまいちピンと来ないでしょうか? Escキーで音符入力モードを終了してから、先ほど入力した2分音符(2分音符分の長さを持つ音符)をマウスでクリックします。Windowsは[Ctrl/Command]+[Alt/Option]+左右矢印キーで音符を横方向に動かすことができるのですが、リズムグリッドを8分音符にして右へ動かしていくと……

このように小節線をまたごうとも、一定のルールのもとタイを使って適切に表示されるのです。

このルールについては「記譜オプション」ダイアログ(メニューバーの「ライブラリー」メニューにあります)の「音符のグループ化」から細かくカスタマイズすることができます。

このようにインテリジェントなDoricoですが、左ゾーンから「デュレーションを強制」を選択すればルールから外れた表記もできるのでご安心ください!

休符の入力方法は?

Doricoがあまりにもさりげなく休符を表示してくれるので、すっかり説明を忘れていました。リズムグリッドに従って音符を入力すると自動的に休符が表示されるのですが、いちいちリズムグリッドの間隔を変えて矢印キーを押して……という操作をしているDorico初心者の方を見たことがあります。

音符入力モードでスペースキーを押すと、リズムグリッドに関係なく現在選択している音価の休符が挿入されますよ! (厳密にいえば休符そのものが入力されるわけではなく、音価分だけキャレットが右に動きます)

自分に合った音符入力方法

デフォルトではデュレーションを指定してからピッチを指定、音符入力前に臨時記号や付点を指定する設定になっていますが、これは「環境設定」ダイアログから変えることができるので、これまで使っていた楽譜作成ソフトの操作感に近づけることもできます!

「ピッチをデュレーションの前に指定」を選択すれば、Finaleの高速ステップ入力に近づけられます。

おわりに

じつはタイはさみ装飾音符連符声部挿入モードなどまだまだご紹介できていない機能がたくさんあるのですが、Doricoの音符入力のコンセプトはほかのソフトとは大きく異なるうえ、基本がわかれば自然と応用も可能ということで、今回は基本概念に絞り込んで説明してきました!

全4回に渡ってDoricoの基礎を解説しました。次回以降はDoricoの便利機能や、楽譜の見た目を変えてきれいな楽譜を書くためのワザを紹介する予定です。お楽しみに!

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