【Dorico】FinaleからDoricoへ!Doricoの基礎 その1(5つのモード)
みなさん、こんにちは! 楽譜作成ソフトウェア「Dorico」初心者の方向けに、使い方を紹介したいと思います。これまでFinaleを使っていたけれどDoricoも使いたい、という方も必見です!
Doricoには、楽譜作成のワークフローにあわせて必要な機能を無駄なく呼び出すことができる5つのモードが搭載されており、機能が明確に分けられています。
第1回となる今回は、そんなDoricoの基礎となるモードをご紹介します。

モードはツールバーのタブから1クリックで切り替え可能。
設定モード
設定モードではプレーヤー(パート)、フロー(楽章)、レイアウトなど基本的な要素を、文字どおり「設定」することができます。楽譜内のアイテムを選択したり編集したりすることはできません。プレーヤー、フロー、レイアウトというのもDorico特有の概念ですので、次回解説します!
記譜モード
実際に音符や記号を入力できるのが記譜モードです。Finaleと同様、マウスやキーボード、MIDIキーボードを用いた音符入力方法が用意されていますが、後発のソフトというだけあり、よりインテリジェントな楽譜入力が可能です!
浄書モード
浄書モードでは記号の位置やスラーの形といった楽譜の外観を微調整することができます。Doricoは手動で調整せずとも自動的に記号の衝突を回避して美しい譜面を表示してくれますが、よりクオリティーを追求したい場合はプロの浄書家の要求にも応えるほどのカスタマイズをすることもできます。Finaleでは見た目を整えるのに時間が掛かっていたので、Doricoを使えば楽ちんですね♪
記譜モードvs.浄書モード
記譜モードと浄書モード、どちらのモードでも強弱記号やスラーなどの記号はドラッグで動かすことができます。しかし、決定的な違いがあるのです。
強弱記号、たとえばフォルテを浄書モードでドラッグすれば自由に動かせますが、あくまでも外観上の位置が変わるだけで、点線が示すように音楽的な意味は変わりません:
いっぽう記譜モードでドラッグすると、音符(あるいは拍)の割り当てを変更することができますが、自由な位置には配置できません:
記譜モードでは楽譜の意味を編集する、浄書モードでは楽譜の見た目を編集する、というのは覚えておきましょう!
再生モード
DAWさながらの操作感で音を確認したり、音符の長さや強弱(音量、ベロシティー)を編集したりすることができます。MIDIエディターで編集すれば、もちろん譜面も同期されます。逆に譜面と再生を分離することもできるので、プレイバックを細かくカスタマイズすることもできます。ルーティングを組んだりエフェクトを掛けたりすることだってできるので、CubaseのようなDAWを使い慣れている方なら音源作成がDoricoだけで完結しちゃうかもしれませんね!
印刷モード
印刷モードではプリンターから印刷したり、PDFなどのグラフィックファイルとして書き出したりすることができます。用紙サイズだけでなく見開き印刷や冊子印刷も指定も可能です。パート譜ごとの印刷も簡単にできますよ!
おわりに
ここまでDoricoのモードについて紹介してきました。なんだか難しそう? Finaleでもたくさんのツールを使い分ける必要がありますが、Doricoでは5つだけのモードに絞り込まれてると考えれば、ハードルが下がるかもしれませんね。使いこなすことができれば、強力なツールに化けること間違いなし!
次回以降もFinaleユーザーが取っつきにくい機能を中心に解説していきますので、お楽しみに!